Head Over Heels
- アーティスト: Cocteau Twins
- 出版社/メーカー: 4ad / Ada
- 発売日: 2007/04/09
- メディア: CD
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曲目
原題
Head Over Heels
- When Mama Was Moth
- Five Ten Fiftyfold
- Sugar Hiccup
- In Our Angelhood
- Glass Candle Grenades
- In The Gold Dust Rush
- The Tinderbox (of a heart)
- Multifoiled
- My Love Paramour
- Musette and Drums
解説
概要
1983年に発売されたアルバム第2作目。"Garlands"の陰影を残しつつ、華やかさが増している。ベースのWill Heggieが抜けた影響が大きいか。タイマーかけて目覚ましに使うと早朝バズーカを体験できる。
'head over heels'とは「まっさかさまに」とかいった意味のわりと普通の熟語。
シングルの"Lullabies"のジャケットが逆さになってるご婦人なので、ここからタイトルをひらめいたのかもしれない。
その絵はこのアルバムのアートワークでも使われている。
日本盤[COCY-6121]ではボーナストラックとしてシングル、"Sunburst And Snowblind"が後ろに入っている(今ちょっと確認できないが確かROCK RECORDS盤も同様)。アルバムのタイトルも正式には「HEAD OVER HEELS / SUNBURST AND SNOWBLIND」になっている。
クレジットを見ると確かにCocteau TwinsのメンバーはRobinとLizの二人だけ。
ジャケットのアートワークはこの後長い付き合いになる23 Envelope。
録音はエジンバラのPalladium Studio。エンジニアはJon Turner。
プロデューサーはCocteau Twins自身とJohn Fryerの連名。
このアルバムと、ほぼ同時に出たシングル"SUNBURST AND SNOWBLIND"では、いろいろなタイプの曲を試しているのが分かる。中でも、'Sugar Hiccup'のような癒し系の曲がレコードに入ったのはこれが初めて。
Lizのヴォーカルも成長していて、多重録音のコーラスは和音を構成するようになり、ファルセットも使われている。
両者は後のCocteau Twinsのヴォーカルを特徴づけるものとなる。まだ地声で歌うことが多いし、コーラスも華美ではないが、未来への確実な一歩の足跡がここにある。
各曲紹介
'When Mama Was Moth'
歌詞の冒頭が'Sunburst and snowblind'で、シングルの方のタイトルはここからとっている。シングルはアルバムに先行して出されたものだが、その時点でこの曲(というかアルバムそのもの)はほぼできていたことになる。
他に'Ribbed and Veined'という言葉も入っているらしい。シングル、"Tiny Dynamine"の2曲目。
'Mama Was Moth'という不思議なタイトルは、'mother'から'er'を引くと'moth'になるのに気いてなるほどと思った。
'Five Ten Fiftyfold'
タイトルの意味がよく分からなくて、日本盤のタイトルを当面拝借している。
サックスに関しては「Special thanks to Ally for sax. on Five Ten Fiftyfold」と謝辞が書かれている。
'Sugar Hiccup'
スローテンポの優しい曲。こういった癒し系の曲が作られるようになったのは、Will Heggieが脱退した影響が大きいのかもしれない。
'In The Gold Dust Rush'
The Gold Rushが黄金時代なのだから砂金時代と訳してはどうか。
もっとも、オフィシャルサイトの用語集によると「gold dust」はスラングでコカインのことらしい。
'Tinderbox(of a heart)'
用語集によると、「'tinderbox'は火口箱の他に、爆発する危険性のある場所や状態を表す」とある。
「火口箱」はwikipediaを参照されたい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E5%8F%A3%E7%AE%B1
'Multifoiled'
用語集によると、「'multifoil'とは,波形の縁か飾り(弁飾り)のついた平らな物か開口部」。
'My Love Paramour'
用語集によると、「'paramour'は'par amour'で、情婦に相当する中期英語か古いフランス語」とのこと。
'Musette and Drums'
用語集によると、「'musette'は中期英語か古いフランス語で、1.柔らかい音の出るフランスのバグパイプ、2.肩紐のついた革か布製の小さいバッグ」。
「ミュゼット」はwikipediaを参照されたい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%82%BC%E3%83%83%E3%83%88
この曲のコーラスにファルセットが使われている。この後の作品だと多用さることになるが、この曲以前にはこんな声の使い方はなかった。
ジャケットイメージ
日本コロムビア盤
ジャケット。
ジャケットの裏側の右端。シングルがボーナストラックになっていることがこれで分かる。
"Lullabies"のジャケットに使われた絵がここでも使われていて、上の方はスカートを翻して前転しているご婦人。文字通り逆さま。下の方はそれと似たイメージのサトイモ科の花。