Aikea-Guinea
解説
概要
1985年3月4日に発表された5枚目のシングル。
アルバム"Treasure"の後に発表された最初のシングル。"Treasure"は傑作との評価が高いが、これに続く数枚のシングルもやはり完成度が高い。バンドが一つの到達点に達した感がある。
このシングルは収録曲がどれも素晴らしく、特に神曲'Aikea-Guinea'を収録していることもあり評価が極めて高い。
発売時はアナログレコードで、コンピレーションアルバムの"The Pink Opaque"には表題曲のアレンジが違うものが収録されている。これが初のCD化ということになる。
1991年に10枚組Box Setのうちの1枚として再版された。
ベスト盤"Stars And Topsoil"にはデジタルリマスターされた'Aikea-Guinea'が収録されている。
リマスター版シングル集のVolume 1には4曲すべて入っていて、現在はこれが入手可能。
Lullabies to Violaine: Singles & Extended Plays 1
- アーティスト: Cocteau Twins
- 出版社/メーカー: 4ad / Ada
- 発売日: 2007/05/21
- メディア: CD
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各曲紹介
'Aikea-Guinea'
Cocteau Twinsの曲のうち屈指の名曲。
ゆったりとしたテンポに各楽器とLizのヴォーカルが織りなす音が美しい。そして多幸感につつまれる。覚えやすく、他に似たものがないオリジナリティもあわせ持つ。
個人的には、学生の頃に山道を歩いたのを思い出した。木漏れ日の落ちる森の中の道。頭上にはカラがさえずりながら飛んでいく。
Aikea-Guineaとはオフィシャルサイトの用語集に解説があり、貝殻の一種を示す古いスコットランドの口語という。guineaの方が金貨の意味もある(ギニア産の金で作られたそうで)ので、貨幣にまつわる言葉に「貝」の部首があるごとく、「guinea」が貝殻の意味を担当しているようだ。種類を特定している方が「aikea」で、これがスコットランドの口語(多分ゲール語)。
ネイティブの発音はある方に教えていただいたところ、「アキ・ギニ」が近いという。
タイトルが貝殻ということで、この曲のPVと、レコードの意匠に貝殻のイメージが使われている。
貝殻といってもこれらのイメージは頭足類のアンモナイトだが。
PVはバンドのメンバーの日常といった感じ。ねこがかわいい。
'Kookaburra'
アップテンポで高揚感のある曲。
タイトルは検索するとワライカワセミがヒットする。オーストラリアの現地語がそのままこの鳥の名前として通用するようだ。大型のカワセミで、鳴き声が名前のとおり笑い声に似ている。
'Quisquose'
スローテンポでピアノとともにLizが切々と歌う美しい曲。
タイトルの意味は不明。検索してもこの曲しかヒットしない。
'Rococo'
Cocteau Twinsとしては数曲しかないインスト曲のうちの1曲。
最初に発表されたインスト曲はBBCのJohn Peel Sessionで演奏された'My Hue And Cry'だが("BBC Sessions"に収録)、レコードとして先に出たのはこの曲。
ドラムマシーンがハツラツとしていて、そこに重厚な楽器が乗ってかっこいい。