Twinlights
曲目
原題
Twinlights
- Rilkean Heart
- Golden-Vein
- Pink Orange Red
- Half-Gifts
解説
概要
1995年9月に発表された、キャピトル・レコードからの4枚目のシングル。手元にあるのはUSA盤なので"Capitol"レーベル。これ以降シングルCDはデジパックになる。1995年に、大手のCD店の店頭で見つけて購入した。
白地にバラの枝が並べられた品のあるジャケット。写真はNick Knightによる。
音はピアノとアコースティックギター、若干のキーボード、'Half-Gifts'には弦楽器。そしてLizのシンプルな (多重録音があまり使われていない!)ヴォーカルからなっていて、全編アコースティックバージョン。Lizの歌唱力は熟達していてとても聞き応えがある。
いままでのCocteau Twinsとはかなり雰囲気が違うが、メロディのシンプルさとオリジナリティはやはり彼らの曲らしいもの。
4曲中2曲が後に出たアルバム、"Milk & Kisses"の収録曲。噂では、このシングルが出た時点で"Milk & Kisses"はほぼ出来上がっており、販売戦略上アルバムの発売が延期になったので2枚のシングルを先行発売することになったとか。もう1枚は"Otherness"。
10年ほど前に、某掲示板でこれらのシングルの発表に関する情報が出ていた。
64 :しゃっくり ◆M2zN9cwzCI :03/02/25 12:37 id:Fx5J3DMc
まずTwinlights、Othernesのできた経緯ですが、
様々なトラブルの後の最初の一歩だという事です。
History-1995より
リズ「アルバムを出すより、EPを出した方が新しい一歩を踏み出すにはふさわしく思えたの。」
サイモン「(Twinlightsは)練習みたいなものだね、僕達にとっては。
こう思ったんだ。『僕達は確かに何曲かいい曲を作る。
でもいい”歌”は作れるんだろうか?』ってね。
もし色々なものを外していったら、もし全てのエフェクトを外したら、
その後には歌があるだけだよね?
4曲入EPはちょっとした実験ができるからいいんだ。」
「Milk and Kissesの数曲はギターやドラムスなど全て仕上がっていた。
それからそれらの曲を裸にして別のアレンジを作ってみたんだ。」
タイトルのtwinlightsは逐語的には2つの灯り、という意味にとれる。
検索すると最初に出てくるのは、アメリカの歴史的建造物のツイン・ライト灯台。
http://www.twinlightslighthouse.com/
ニューヨークの南のサンディー・フックの付け根のハイランズにある灯台で、名前の通り、2基の灯台が石造りの建物の左右に建っている。
オフィシャルサイトの用語集では、'twinlights'の解説にこの灯台のことが出ている。ただし、バンドが本当にこの灯台を意識してタイトルを選定したのかは分からない(オフィシャルサイトはファンが運営しているので多分に推測が入っている)。
http://www.cocteautwins.com/html/dynamine/glossary.html
2001年の911テロで崩壊したWTCビルの跡地に、追悼のため天に向け2つの灯りが灯された。これも'twin lights'と呼ばれた。
このシングルは'Rilkean Heart'と'Half-Gifts'についてPVが撮られている。これらは、歌詞が画面に現れては消えるという演出がとられている。なので、この2曲は歌詞が明らかになっている。
その他、Lizが左利きだということや、ピアノを本当にSimonが弾いているということが分かる。
リマスター版シングル集のVolume 2には"Twinlights"の4曲すべてが入っていて、現在はこれが入手可能。
Lullabies to Violaine: Singles & Extended Plays 2
- アーティスト: Cocteau Twins
- 出版社/メーカー: 4ad / Ada
- 発売日: 2007/05/21
- メディア: CD
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各曲紹介
'Rilkean Heart'
アルバム収録のものよりちょっと短い。
'Golden-Vein'
アルバム未収録の曲。
アコースティックギターとピアノにLizの伸びやかなヴォーカルが乗った美しい曲。
'Pink Orange Red'
"Tiny Dynamine"収録版はちょっと怖い感じがするところもあるが、シンプルなピアノ(と補助的なギターやキーボード)をバックに、コーラスを重ねないで歌っているこのバージョンは聞きやすくてきれいな歌になっている。
歌詞に変更がないようなので、意味ははっきりしなくても、Cocteau Twinsの曲には確たる歌詞があることが分かる。
'Half Gifts'
アルバムに比べて切ない感じのアレンジ。
弦楽器が入っていて、そのアレンジはThomas M Hillによるとある。
各楽器は以下のようにクレジットされている。
- Phill Boyden - Violin
- Paul Costin - Violin
- Fiona Griffith - Viola
- Helen Thomas - Cello