The Moon and The Melodies
- アーティスト: Harold Budd
- 出版社/メーカー: Msi/Wea
- 発売日: 2007/04/09
- メディア: CD
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曲目
原題
The Moon and The Melodies
- Sea, Swallow Me
- Memory Gongs
- Why Do You Love Me?
- Eyes Are Mosaics
- She Will Destroy You
- The Ghost Has No Home
- Bloody And Blunt
- Ooze Out And Away, Onehow
拙訳
月と旋律
- 海,私を飲み込む
- 記憶の鐘
- なぜ私を愛するの?
- 目はモザイク
- 彼女はあなたを壊すでしょう
- 幽霊は家がない
- 血まみれでぶっきらぼう
- 放出し尽くしなさい
解説
概要
1986年11月10日に発表された、ハロルド・バッド(Harold Budd)とコラボレーションしたアルバム。"Treasure"(1984)と"Blue Bell Knoll"(1988)の間に色々と試みられた作品のひとつ。
とても美しい作品で、他のCocteau Twinsの曲と少し雰囲気が違っていて、バンド単独の作品ではないがそろえておきたいアルバム。
コラボレーションというので、おそらく曲作りのほぼすべての段階でバンドとHarold Buddの間で共同作業が行われていたのだとは思うが、ほぼ交互に並んでいるLizのヴォーカルが入る曲とインスト曲とで、けっこう曲調が違っている。ヴォーカルが入る曲はCocteau Twinsの曲にHarold Buddが協力している感じ、インスト曲はHarold BuddのピアノにRobinとSimonが協力している感じがする。もちろん印象の話で、確たる証拠はない。
"Victorialand"でサックスとタブラを演奏していたDif JuzのRichard Thomasが、この作品でも演奏している。'She Will Destroy You'と'The Ghost Has No Home'のサックス、'Bloody And Blunt'のドラムが彼によるもの。
Harold Buddとの交流はこの後も長く続いていて、最近も2011年にRobin Guthrieが彼とコラボして作品を発表している。
各曲紹介
'Sea, Swallow Me'
シンプルでどこか懐かしい感じのピアノのイントロで始まる1曲目。いたずらに黒い鍵盤だけを叩いてみたときに聞こえてきたような旋律を思い出した。
このイントロのピアノの旋律が、歌の後半でLizのヴォーカルと重なるところがまたいいと思う。
タイトルは、「海、ツバメ、私」という名詞の羅列なのか、それともswallowを動詞で使っているのか、判断が難しいところ。動詞だと「海よ、私を飲み込んで」などという解釈もできる。
1986年のライブではこの曲がセットリストに入っていたとのこと。
'Memory Gongs'
インスト曲。音の感じをタイトルはよく表している。
この曲のバージョン違いがHarold Buddが作曲とプロデュースしたアルバム、"Lovely Thunder"に'Flowerd Knife Shadows'という曲として後に収録された。
'Why Do You Love Me?'
アンヴィエントなインスト曲。
'Eyes Are Mosaics'
ヴォーカルの入った曲。徐々に音程が下がっていくメロディや、途中に変なメロディが入るなどヴォーカルパートがユニークな曲。
'She Will Destroy You'
ヴォーカルが入った曲。Lizがとつとつと歌う淋しい曲。
'The Ghost Has No Home'
アンヴィエントなインスト曲。全体にサックスが入る。
'Bloody And Blunt'
タイトルとは違って穏やかなインスト曲。
ストリングっぽい音はキーボードだろう。Richard Thomasの打楽器は後ろのほうに控えめに入っている。
オフィシャルサイト等を見たら'bloody and blunt'はアルバム"Head Over Heels"の'The Tinderbox (Of A Heart)'の歌詞の一節だと知った。
'Ooze Out And Away, Onehow'
ヴォーカルが入った曲。静に始まって後半で盛り上がり、きれいにアルバムをまとめている。
タイトルが意外に謎めいている。ooze out and awayだったら何かを全部放出してしまえ、という意味なのだろうけど、最後のonehowが分からない。oneとhowなら知ってる単語だがくっつくと分からない。辞書にも出ていない。ぐぐってもこの曲ばかり出てくる。
oneとhowだって意味がありすぎて難しいのに、これは多分ネイティブでないとお手上げだ。とりえあえず訳してみたタイトルからはonehowのところを外してある。
この曲も"Head Over Heels"の曲からタイトルを持ってきていて、'My Love Paramour'の歌詞の中で何度も繰り返されるフレーズ。